みんなのPythonのレビュー
- 作者: 柴田淳
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2006/08/22
- メディア: 単行本
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来週読むつもりだったんですが、
「みんなのPython」のキーワードでここに訪れる人が多かったので
レビューを書くべく一通り読みました。
結論から言いますとこの「みんなのPython」より読みやすかったPythonの入門書はないってことです。
私がPythonに興味を持ったきっかけはHow To Become A Hackerを読んだことからでした。そういう人結構いると思います。
で、お決まりコースで「初めてのPython 第2版」を購入するわけですが、プログラミングに初めてふれる私にとっては「プログラムの入門書ってこんなにも難しいのか。。。」と落ち込んでしまい、それ以降しばらくPythonにふれることはなくなりました。(たぶんこの時点で私にはハッカーの資質がなかったってことでしょうね。)
それ以降Perlなどの別の言語を勉強し、結局は「はじめてPython」も読み直したのですが、この「みんなのPython」の方がはるかに理解しやすかったです。「これは日本語で〜といった意味です。」という記述も親切でよかったです。
簡単な文法の紹介から始まっていますので、プログラミングが始めての人でも理解できると思います。そして、最終的にはTkinterを使ったGUIアプリのサンプルコードやZopeの利用までと学習範囲はとても広いです。
Pythonという言語は本来はこのような短い期間で技術が習得できる入門者に最適な言語なんだと納得できました。
この「みんなのPython」という初の純粋和書の登場によって、プログラミングの入門言語としてPythonを選択するということができるようになると思います。今まではわかりやすい和書がなかったのでPythonを選択したくてもできない状況でした。「はじめてのPython」プログラミングの入門者には敷居が高いですからね。
少し不満だった点は以下のとおりです。
- オブジェクト指向言語としてのPythonではなく、スクリプト言語としてのPythonが解説の中心だったということ。
(Classを使った実用サンプルプログラムがないに等しい) - 「これってどういう意味だったかな?」と巻末の索引を探しても該当する単語がなかったこと。
(何度かあり、ページを戻って探すことになりました。結構そういうことがありそうな索引です。) - 著者紹介がなかったこと。(もっとアピールすべきです!!)
- サンプルプログラムが魅力に欠ける。(作ってみたいと思いにくい)
私がPythonに求めていたのは純粋オブジェクト指向言語としての特徴だったので、その点は「はじめてのPython」が圧倒的にしっかりした解説が書かれています。
不満な点があるとはいえ、この書籍がもたらす効果は非常に大きいと思います。
Pythonの持つわかりやすさがこの書籍では納得できます。
また、この書籍を読んだ後に「はじめてのPython」を読むと理解しにくかった部分がすんなり理解できるようになりました。これは私にとって非常にありがたい効果をもたらしてくれたと思います。
しかし今まで何で和書がなかったんでしょうねぇ。。。今後増えることを期待します。