あと味

たくさん情報を食べて、たくさん発信すると、あとになって味わい深い。

タグによる情報整理

今日はタグによる情報整理について語ってみたいと思います。かなり文章が長くなってしまうのでご容赦を。

記事の紹介

つい最近、Japan.internet.com の記事に情報整理のパラダイムシフトというものがありました。

この記事では情報整理について、ディレクトリ管理とタグ付けによる情報整理の違いについて書かれています。また、階層構造の限界とタグ付けによる情報整理のメリットについての考えも書かれています。

ディレクトリ管理が一次元的な階層による表現であるのに対して、タグ付けは多次元的で並列的な表現だといえます。ディレクトリは、出発点(ルート)から順序通りに階層を辿ることで特定の情報を絞り込みます。目的地は、出発点からの階層ごとの分岐を線で結ぶことで表現できます。つまり、一次元の線での表現量しかないということです。

対してタグ付けは、階層関係や包含関係のないそれぞれが独立した複数のタグによって、情報を分類することが可能です。こちらは、独立したタグの数の分だけの次元数で表現することができるのです。

タグによる情報整理

タグによる情報整理が便利であるということはわたし自身非常に実感しています。

例えばはてなブックマークではブックマークをカテゴリごと、ディレクトリごとにわけるのではなく、タグによって整理しています。
情報を取り出すときは、タグクラウドから絞りこんで欲しい情報にアクセスするといった使い方になります。
タグクラウドは情報の量によって見ためが変わるため、頻繁に使用するタグはおのずと視覚的にも目に入りやすくなります。

また、私はブックマークだけでなくメールに関してもフォルダ分けをするのではなく、タグを使って整理をしています。
タグを付加するフィルタを作成しメールが届いた時点でタグを自動適用したり、メールを見てから適当なタグを付けていきます。
後から見返すときはタグでメールを絞りこんで読みたかったメールを探しだします。
ですからタグの機能があるGmailが手放せません。

タグを用いた情報整理のメリットは情報の重複が可能だということです。
例えばメールの場合、ひとつのメールに複数のタグを付加するということが可能です。
届いたメールに「仕事」というタグと「急ぎ!」という複数のタグを付加することができます。
これによって、「急ぎ!」タグの中にあるメールの中でも仕事の急ぎなのかプライベートの急ぎなのかを他のタグによって見分けることが可能です。

これがフォルダ管理になった場合はどうなるでしょうか?
まず、届いたメールを「仕事」フォルダと「急ぎ!」フォルダのどちらに保存するか選択する必要があります。
選択できない場合、各フォルダにコピーを保存するという手段を取ることになるでしょう。

しかし、これは容量の無駄になりますし、削除する際に各フォルダのメールをひとつずつ削除するといった面倒な作業も必要になります。

タグによる整理であれば「仕事」タグと「急ぎ!」タグはそのままでメール本体を削除してしまえばどちらのタグからもメールがなくなります。また、「急ぎ!」フォルダの中にあるメールは、プライベートのメールなのか仕事のメールなのかは、メールの中にある情報を見ないと区別ができません。

このようにタグによる情報整理というのは大きなメリットがあります。

フラットな情報

タグはフラットな情報への有用なアプローチだと思います。
フラットな情報というのは階層のない情報のことです。

例えばGoogleはインターネット上の全てのページをひとつのデータベースに放りこんでいます。

我々はこのデータベースからタグ(キーワード)によって情報を取り出すことができます。

これがYahoo!のディレクトリ検索の場合では、最初から情報が絞られ限定的な空間になるため、情報を取り出しても少し不安感があります。(ほんとうにこのディレクトリで欲しい情報が手に入るのだろうか?今求めている情報はYahooのディレクトリに適切に登録されているのだろうか?)

つまり、フラットであるということが重要なんだと思います。

最近GTDといった言葉をよく耳にするようになりましたが、これも一旦すべての情報をフラットにしてから適切な項目にカテゴライズするという作業を行っています。

全てをフラットにするということが情報整理の本質だということなのでしょう。

一度フラットにした情報を階層化しても、また同じように不安になります。正しい場所に整理できているだろうか、どこに整理したか忘れてしまわないだろうか?というように常に不安がつきまといます。

そもそもこの世に100%正しい、情報の階層なんてものはなく、情報はひとつの場所に居つづけることはなく、あいまいでかつ変動します。

こういった場面でタグが大きな役割を果たします。タグはフラットなまま情報を整理することができるからです。

フラットなままですぐに取り出せる。

これが今求めているもので、Googleなどがその重要な役割を果しているのでしょう。

今後、Googleを使ってキーワード検索をするという行為はあらゆる人の生活のデフォルトになっていくと思います。

そうなればあらゆる人が検索テクニックというものを身につけていくはずです。

検索テクニックが全人類のスキルとなった時、タグやキーワードによる情報整理が真価を発揮する時代になるのだと思います。

この技術がもっともっと便利になって身近になってほしいとしみじみ願うのでした。終わり。